スタッフブログ 予防歯科

酸から歯を守ろう!

日中は夏のような陽気も増え、暑くも感じる日が増えてきましたね。
体調管理が難しい季節でもありますが、感染予防にも気を付けていただき、健康第一でお過ごし下さい。

今回はむし歯とは少し違う、「酸で歯のエナメル質が溶ける症状=酸蝕症(さんしょくしょう)」についてお伝えします。
むし歯はむし歯菌が出す、糖分(食べかすなど)を分解する際に出る酸によって歯が溶けることをいいますが、酸蝕症は、酸性の強い食べ物などで歯のエナメル質が溶けてしまうことをいいます。
むし歯や歯周病のほかに歯を失う原因の1つとも言われています。

原因
①胃酸(逆流性食道炎など)
②酸性の強い薬の服用
③酸の強い食品の摂りすぎ
その中でも一番多い原因は
③番です。

症状
・歯全体が丸みを帯びる
・歯がしみやすくなる
・前歯の先端部分が透けて、ヒビが入ったり、欠けたりする
・酸蝕により、歯の表面に溝やへこみができやすくなる

それでは、酸性の強い食品にはどんなものがあるのか、ご紹介致します。

<酸性 弱=リスクが低い>
飲料→水、お茶、牛乳、豆乳、缶コーヒー、焼酎など
食品→お米、パン、肉、魚、チーズなど

ここから、エナメル質が溶けやすい食品です。
<酸性の強さは中間くらいのもの>
飲料→紅茶、トマトジュース、野菜ジュースなど
食品→じゃがいも、とうもろこし、キャベツ、人参など

<酸性の強=リスクが高い>
飲料→コーラ、梅酒、ワイン、黒酢ドリンク、スポーツドリンク、ビール、100%オレンジジュースなど
食品→レモン、オレンジ、リンゴ、パイナップル、いちごなど

普段、私達が口にしているものがほとんどです。大切な食事でもあり、水分補給でもあります。そこで、どのようなことに気を付けて、歯のエナメル質を酸から守ればいいのでしょうか。

対応策
①ダラダラ食べやチビチビ飲みはしない
→口の中に食べ物がある状態が長い、または食べる頻度が多いとそれだけ酸に触れる回数や時間が増えるので、きちんと間隔をあけて飲食をするようにしましょう。
②酸性の強い食品を食べた直後は、30分は歯磨きをしない
→酸性の強い食品によって、歯が柔らかくなっているので、時間をあけて歯磨きをする、または、お茶やお水を飲んだり、うがいをしましょう。
③寝る前に酸性の強い食品を口にしない
→睡眠中は唾液の再石灰化の作用が、唾液が減ってしまうことであまり作用しなくなるので、睡眠前は採ることを控えましょう。
④フッ素入りのものを使用する
→フッ素は虫歯だけではなく、酸蝕症にも効果的です。フッ素入りの歯磨き粉や洗口液を使ってみましょう。

酸性の強い食品を口にしてはいけないということではありません。夏場になると熱中症を防ぐためにイオン水を飲んだりしますし、食材にも栄養が含まれています。好きな食べものや、リラックス効果があるなど、私達の生活で飲食は欠かせないことです。

私達の歯のエナメル質は酸にとても弱いです。酸が歯に与える影響を理解していただき、摂りすぎには注意をして下さい。バランス良く、楽しんで飲食をしていただければと思います。
そして、大切な歯を守ることで、たくさん食べたくさん睡眠をとり、体の健康も守っていきましょう。