糖尿病患者様の歯科治療について
寒い日が続いていましたが、少しずつ暖かくなってきて、過ごしやすい気候になってきました。コロナに続いてインフルエンザも流行しているので、皆様、体調に気を付けてお過ごしください。
さて、日本の成人のうち約5人に1人が糖尿病または糖尿病予備軍といわれています。歯科治療でも糖尿病の患者様が来られることも多いです。
糖尿病と歯科治療は深く関わりがあるため、気を付けなければいけないことも沢山あります。
順番に見ていきましょう!!
まずは糖尿病に限らず、全身疾患をお持ちの方は問診票に細かく記入をお願いします!全身疾患や薬の服用状態などで、治療がどこまで可能か、しっかりと判断する必要があるからです。
次に、インスリンやお薬はいつも通りに使い続けて下さい。歯科治療を受ける方の中に、インスリンやお薬を独断で止めてしまう方がおられます。これは危険なので止めないようにしましょう。ではなぜ止めては行けないのかというと、止めてしまうと、血糖値のコントロール不良となり、傷の治りが遅れ、感染が重症化しやすくなってしまいます。
ですから、いつも通りの服用が重要です。
そして、治療前の食事は食べるようにしましょう。患者様の中に「治療を受ける時に気分が悪くなるといけないから」と食事を抜いて来院される方が時々おられます。ですが、これは危険です。
なぜかというと、インスリン不足で細胞に糖をうまく取り込めない糖尿病の方の場合、低血糖発作を起こしやすくなってしまうのです。50mg/dl以下の低血糖が続くと意識障害が現れ、昏睡に陥ってしまう場合もあります。このように危険な状態にならないためにも、治療前には、適切な量の食事を摂取するようにしましょう!
もし低血糖発作が起きた時は、糖分を摂ると基本的にはすぐに回復します。
そこで、発作が起きてしまった時のために、念の為甘いものや、ブドウ糖などを常に携帯しておくようにしましょう。
飴や砂糖、糖分の入ったジュースなどでも大丈夫です。もし治療後に麻酔や痛みのせいでなかなか食事ができない時も、砂糖水などで糖分を補うようにして下さい。
また、糖尿病の方は感染症を起こしやすくなっています。もし抗生剤などのお薬が処方された時は、歯科医師の処方通りに忘れずに服用してください。抗生剤は、一定の期間、一定の血中濃度が保たれないと効果がありません。中途半端な服用になると耐性菌が生まれる原因にもなってしまいます。きちんと処方通りに服用しましょう!
糖尿病は歯科治療と大きな関わりをもち、歯周病との関連もあります。
定期検診を受けることで糖尿病のコントロールもできて、歯周病も進行しにくくなります。こまめに来院して頂くことで感染のリスクも下がります。
ご自身の体とお口の健康を守るようにしていきましょうね!!