『 歯科診療で注意が必要なアレルギー』
9月に入りましても今年は残暑がことのほか厳しいようですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。急な豪雨なども最近多いので、気を付けてお過ごしください。
今回は歯科診療で気を付けなければいけないアレルギーについてお話します。
①注意が必要な薬(薬剤)
歯科では治療の際よく麻酔をする事がありますが、麻酔の薬剤の中でもキシロカインという麻酔薬を使用するとアレルギーが起こることがあります。もちろんアレルギーのある方への使用は絶対禁忌となっていますので、そのためにも事前に行う問診が大切になってきます。また、お薬では使用頻度の高い抗菌薬や鎮痛薬でもアレルギーが出ることがあります。例えばペニシリンアレルギーがある患者様にはペニシリン系のお薬を避け、セフェム系なども同系列なので同じように避けなければいけません。お薬のアレルギーは過去にあれば患者様ご自身でお分かりの方がほとんどなのでそちらも問診票にしっかり記入して頂く必要があります。
②ラテックスアレルギー
歯科診療では、医療用手袋や医療用品に使用されているラテックス(天然ゴム)に対するアレルギーが問題となる事があります。
ラテックスアレルギーは普段の生活用品でも起こりうる可能性があります。
このアレルギーはI型(即時型)アレルギーの為、接触すると即時にアレルギー反応がでて皮膚の発赤やかゆみなどが起こります。また
バナナ、アボカド、キウイ、シラカンバ(植物)などへのアレルギーがあるとラテックスアレルギーを起こす心配がある為、ゴムだけでなく食べ物や植物のアレルギーも分かっておくと事前にアレルギーを防ぐとこができます。
③金属アレルギー
患者さんの中でもよく気にされる方が多いのが金属アレルギーです。
歯科用金属として使われるニッケル、コバルト、クロム、パラジウムなどでアレルギーが出ることがあります。仕組みは金属イオンと口腔内の細菌成分が金属アレルギーの発症に関与している可能性があるという研究報告がある為口腔内の管理が重要となります。口の中の粘膜が荒れたり、そこから離れた腕や足の裏などにも湿疹や蕁麻疹などの症状が現れる事もあります。また金属アレルギーはIV型(遅延型)アレルギーのため、歯科治療時に症状が出ることはあまりありません。治療が終わってしばらくしてから症状が出ることが多いです。その場合は金属アレルギーを疑い、病院でのアレルギー検査なども必要になってきます。口腔内に金属の詰め物や被せ物が入っている方は注意が必要です。もしかしたらアレルギーかも?と感じたら病院で検査を受けてみることをオススメします!
このようにアレルギーといっても様々な種類があり、いつ起こるか分かりません。
原因が分からないものもあります。
そのためご自身で分かっていることは、しっかり問診票に記入していただきアレルギーを事前に防ぐことで、安心かつ安全な歯科治療を行うことができます。治療の際に何か困ったこと、気になったことはいつでもスタッフにお声がけ下さい!!