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「歯を失った時の歯列の変化」

急に暖かくなったり、また気温が下がったりと体が追いつかない毎日ですが、皆様元気にお過ごしでしょうか。春は花粉も多いのでご自愛くださいね。

今回は歯がなくなった時に歯列にどういう変化が起こるのかお話していきます。
歯はたとえ1本でも失うとさまざまな変化が起こりますが、最も問題となるのは、咀嚼能率が低下し、食物を咀嚼しにくくなってしまう事です。歯を多く失うほどこの咀嚼障害も大きくなっていきます。
前歯を失った場合は「外観が悪くなる」「発音時に空気が漏れる」という社会生活に問題が生じてきます。このため前歯を失った場合は、審美性を回復したいという観点から患者様も比較的すぐに歯科医院に来られることが多く、歯の欠損が放置されることはあまりないとされています。
一方で臼歯(奥歯)を失った場合は
初めは咀嚼能率の低下に不都合を感じていても、しばらくするとその状況に慣れてしまい、歯科医院を受診することなく放置されることも多くなっています。
そうなると、失った歯に隣合っていた前後の歯や噛み合わせの歯などに変化が生じてしまいます。
すべての歯が存在して歯列が整っている場合には、それぞれの歯は隣合った歯と接触して、力学的な平衡を保ちながらU字型の歯列を保っていますが、歯が失われ隣の歯と接触がなくなってしまうと、歯は空いたスペースに傾斜してきてしまうのです。
傾斜して倒れた歯にはプラークが溜まりやすくなり、周囲の組織に炎症が起きやすくなってしまいます。
また影響は、歯を失った側の歯列だけではなくなくなった歯と咬み合っていた反対顎の歯列にも及びます。
一般的に、欠損(歯を失う)した歯と咬み合っていた歯は咬合する相手を求めるかのように抜け出して移動してきます。これを「挺出」といいます。
挺出が起こると、挺出した歯に隣合っていた歯は、正常な接触関係を失って傾斜して来るようになります。
これらの変化は欠損してからすぐに起こるわけではありませんが年齢、骨の健康状態、咬合状態などによって個人差はあります。
長期に渡って歯の欠損が放置されてしまうと
その後ブリッジや義歯などを治療するためのスペースが不足してしまい、やむを得ず挺出した歯を削合したり神経を抜いたり、抜歯もあったりと使えるはずのが使えなくなってしまったり治療の回数も増えてしまいます。

このように歯を失ってしまうと
これまでのお口の中の状態が少しずつですが変化していってしまいます。
早期発見早期治療のためにも定期検診は重要です。気付いた時に手遅れになる前に歯科医院を受診しましょう!