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「8020運動」

ようやく朝晩は涼しくなり、秋の訪れを感じられるようになりましたね。
一日の寒暖差が大きい時期なので、体調を崩さぬようお過ごしください。

さて、皆さんは「8020(ハチマルニイマル)運動」という言葉を知っていますか。
これは1989年(平成元年)から日本歯科医師会と厚生省(現・厚生労働省)が推進している「80歳になっても20本以上自分の歯を保とう」という運動です。

親知らずを除く28本の歯のうち、少なくとも20本以上の歯があれば、ほとんどの食物を噛み砕くことができると言われています。
そのため、「生涯自分の歯で食べる楽しみを味わえるように」との願いを込めてこの運動が始まりました。
8020の達成率は、運動開始当初は10人に1人にも満たない状況でしたが、その後8020達成者は増加し、2022年の調査では達成者は51.6%になりました。

「8020運動」には次のような効果が期待できます。

・生活の質の向上
・認知症の予防
・咀嚼することによる健康維持
・治療費や治療の時間の節約

では、80歳で20本以上の歯を保つ為にはどのようなことに気をつければ良いのでしょうか。

歯を失う原因で一番多いのが歯周病です。
生活習慣病と言われるこの病気は、初期の症状を含めると成人の多くの人がかかっています。

大切な歯を失わないようにする為には、以下のようなことに注意しましょう。

・毎日の歯磨きをしっかりとする
・間食をなるべくしない
・糖分を摂りすぎない
・たばこを極力吸わない
・口呼吸をしない
・歯ぎしりの対策をする
・定期的に歯科検診を受ける

日常の生活習慣の見直しや、少しの意識の変化で、予防できるものもありますので、毎日のセルフケアと定期的な歯科医院での検診で、大切な歯を生涯健康に保っていけるように取り組んでいきましょう。

仮に8020運動を達成できなかったとしても、しっかり噛み合いきちんと噛む事ができる入れ歯などを入れて、お口の中を良好に保つことで、歯が20本あるのと同程度の効果が得られることもあります。
入れ歯を含めた歯で食べ物をしっかり噛む事ができれば、全身の栄養状態も良好になり、よく噛む事で脳が活性化され認知症のリスク軽減にも繋がるという調査結果もあります。

いつまでも健やかなお口でおいしい物を食べ続けられるように、また笑顔の絶えない毎日を送ることができるようにご自身の歯を大切に守り、「8020運動」を達成できるように取り組んでいきましょう。