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唾液の働き

厳しい寒さが続きますが、皆様いかがお過ごしでしょうか?
今回は、意外と知られていない唾液の働きについてお話します。新型コロナウイルスの流行により、マスクの着用が私達の新しい日常となりました。マスクは飛沫を防いでくれる有り難い存在ですが、一方でマイナス面もあることをご存知でしょうか?

マスクをしていると、口を動かして話をする機会が減り、飲み物を飲む事も面倒になることがあります。そうすると、口の中の潤いが減って乾燥し、唾液の分泌が減少する事があります。
マスクが欠かせない今の時期だからこそ、知っておきたい唾液の働きについてご紹介します。
唾液には次のような働きがあります。

①自浄作用
食べかすや細菌を洗い流す。

②抗菌作用
プラーク(歯垢)  の発生を抑える。

③保護作用
粘膜を保護し、発声をスムーズにする。

④再石灰化作用
飲食により溶けかかった歯の表面を修復し虫歯を防ぐ。

⑤緩衝作用
飲食により酸性に傾いた口腔内のPHを中和させ虫歯を防ぐ。

⑥消化作用
酵素アミラーゼがデンプンを分解し消化しやすくする。

このように唾液には多くの働きがあり、私達のお口の健康に欠かせない存在です。
唾液の分泌量が減少すると、口の中が乾燥して食べ物が飲み込みづらくなる、口の中がネバネバする、口臭が強くなるなど、日常生活にも支障をきたすようになります。
常にマスクをしてお口の中の潤いが減っている今は特に、意識的に唾液の分泌を促す事が大切です。

では、次はどのようにしたら唾液を増やす事ができるのかをお話します。

まずはよく噛んで食べる事です。「噛む」 という行為によって唾液腺が刺激され、唾液が分泌されます。噛みごたえのある食品を意識して食べたり、シュガーレスやキシリトール入りのガムを噛むことも効果的です。
硬い食材はもちろん、繊維質の多い野菜や弾力のあるこんにゃく、油揚げなども噛む回数を増やす事につながります。
ガムは噛み始めのときに唾液がたくさん出ます。キシリトールガムなら虫歯予防にも効果的です。マスクをしながら噛める点でも今の時期にお勧めです。
また、体内の水分が減ると唾液も減少するので、定期的に水分補給をし、お口の乾燥を防ぎましょう。

その他には、舌を動かす体操をして唾液腺を刺激することや、唾液腺のマッサージなども唾液の分泌を促す事に効果的です。

唾液の働きには、食べる事に関連した働きだけではなく、虫歯や細菌の侵入を予防したり、口の中を守ったり、様々な役割があります。
唾液の量が減ると、虫歯や歯周病になりやすくなったりと、様々な問題が起こりやすくなります。
唾液は30代をピークに減少していくので、しっかり噛んで食べるなど普段から唾液を増やす事を積極的に行い、お口と全身の健康を保っていきましょう。