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『 歯を失わないために』

朝晩は随分涼しくなってきましたが、まだ日中は少し暑い日が続いています。気温差もおおきくなってくるので体調には気を付けてお過ごしくださいね。

今回は歯を失う原因についてお話します。厚生労働省は5年に1度、歯科疾患実態調査を行っていて、このデータにより、皆様のお口の中の健康状態はどうなっているのかが分かります。そこでは、歯を失うのは、虫歯、歯周病、破折により歯を失っていることが分かっています。
原因として1番多いのが虫歯で、かなり進行して歯根まで侵されて、修復が不可能であると診断されて抜歯されてしまいます。
次に歯周病は、進行して歯根を支えている骨が失われてグラグラになり、残しておくことができなくなって、抜歯されてしまいます。
そして破折では、歯が歯根まで割れてしまい、抜歯する以外にない状態になってしまいます。実はこの順番は昔からあまり変わっていないそうです。特に虫歯と歯周病で抜歯の原因の半分以上を占めていると言われています。
このようなデータから、虫歯や歯周病になったとしても、抜歯に至るまでの状態にしないようにできれば、歯を守れることが分かります。
ではなぜ虫歯になるのでしょうか?
お口の中には多くの細菌がいて、その中には虫歯や歯周病の原因となる菌も含まれています。有名なのは虫歯の原因菌のミュータンス菌です。
この菌は食物や飲料に含まれる糖から、ネバネバしたグルカンという物質を作り、歯の表面に引っ付きます。
そして、そのグルカンを土台にしてさらに細菌が増えて塊となったものがプラーク(歯垢)です。また、糖を取り込んだミュータンス菌は、プラークの中で乳酸を作ります。この酸がエナメル質を溶かしてしまい、穴が開いて虫歯になってしまいます。そして、そのまま放っておくと歯の内部の象牙質まで破壊され、神経にまで細菌が入り込むと、酷い痛みを感じるようになります。
さらに進行すると、神経が死んでしまって、細菌が繁殖し歯の根を支える顎の骨の中まで到達して、細菌の巣が広がり、顔が腫れたり、全身に悪影響を及ぼすこともあるんです。
人間の体の中で1番硬いと言われる歯ですが、酸にはかなり弱いため、溶けてしまいます。歯の表面からプラークが取り除かれない限り、歯は溶け続けて、虫歯はどんどん進行して抜歯に至るということも考えられます。
逆にいえば、プラークが歯の表面から取り除かれれば、酸は生産されにくく、虫歯も進みにくくなるということです。

毎日のブラッシングをしっかりすることで、虫歯も歯周病も予防することができます。
ご自身の口腔内を理解して歯を失わない為にもしっかりと歯磨きと定期検診を受けて、歯を守ってあげるようにしましょう。