予防歯科

「脱灰と再石灰化」

朝晩の冷え込みも強くなり、日毎に秋の深まりを感じるようになりました。

さて今回は、虫歯の発生に関係する脱灰(だっかい)と再石灰化(さいせっかいか)についてお話します。

お口の中にある虫歯菌が、食べカスの糖分を分解して酸を作り出し、その酸によって歯からカルシウムイオンや、リン酸イオンが溶け出すことを脱灰といい、虫歯はこの脱灰から始まります。
脱灰が起きたらすぐに虫歯になるわけではありません。
唾液には、溶け出したカルシウムイオンやリン酸イオンを再び歯に戻して結晶化し、修復する働きがあります。これを再石灰化といいます。
お口の中では、この脱灰と再石灰化が日常的に繰り返し起こっています。
脱灰の量が少ない初期の虫歯は、再石灰化によって治すことができます。
しかし、いわゆるだらだら食べや、間食の回数が多いと脱灰が多くなり、再石灰化による修復が間に合わなくなって、脱灰と再石灰化のバランスが崩れ、虫歯は進行していきます。
反対に、再石灰化のほうが多いと歯は虫歯になりにくくなります。
再石灰化を促進するためには、歯磨きで歯垢をきれいに落とすことや、フッ素の入った歯磨き粉を使用するなどの方法があります。

規則正しい食生活と正しいプラークコントロールで、脱灰と再石灰化のバランスを保ち、虫歯になりにくいお口の環境づくりを心がけましょう。