スタッフブログ 予防歯科

「妊婦さんと歯肉炎」

今年もあとひと月となり段々寒さも増して参りました。
忙しい時期ではありますが、皆様どうぞ元気にお過ごしくださいね。

さて、今回は妊婦さんと歯肉炎についてお話したいと思います。
妊娠中の女性の身体は、女性ホルモンの分泌量が増えるため様々な変化が身体に起こります。
お口の中も例外ではなく環境が変化しやすく、特に歯ぐきが腫れる歯肉炎は、妊婦さんがかかりやすくお口の中に歯周病の細菌が多い場合は、お腹の赤ちゃんにも影響を与えると言われております。

お口の中には、プラークという細菌の塊が存在します。ハブラシを怠るとプラークや歯石が溜まりお口の中の細菌が増えます。歯肉や歯周ポケットに付着した細菌は放置していると、しだいに毒素を出し、歯肉の組織を刺激して、炎症を引き起こします。症状としては歯肉の腫れ、赤み、症状の強い方はハブラシなどで触れると痛みがでます。

妊婦さんが歯肉炎になりやすい理由ですが、妊娠中はプロゲステロンというホルモンの増加により、歯肉の組織への血流が増加し、歯ぐきが敏感になります。また、歯肉炎の原因となる特定の細菌が繁殖しやすくなり、歯肉が痛みやすくなります。

妊娠中の歯肉炎は、妊娠2ヶ月から8ヶ月の間に発症する可能性が高いと言われています。
特につわりの症状が出る妊娠2ヶ月ごろは食生活も乱れ、歯ブラシをすることも困難になる方も多く、最も歯肉炎になりやすい時期です。

歯肉炎を予防するためには毎日のお口の中のケアが重要ですが、妊娠中は思うように歯を磨くことができないことと思われます。

歯肉炎の症状がみられる方は早めに体調の良い日を見つけて、歯医者さんで歯のお掃除をしてもらいましょう。
歯のお掃除を受けることでお口の中の細菌を減らすことができ、歯肉の炎症が治ることが多いです。

そして、つわりの時期など食べるものが偏ってしまう妊娠中ですが、できるだけお砂糖入りのものを控えましょう。お砂糖入りのものを食べたあとは歯磨きをするかハブラシが難しい場合は食後にうがいを行い、お口の中にお砂糖が残り続けないように意識しましょう。

そして小さめのハブラシを選んでみてください。
つわりの時期は今までのハブラシが気持ち悪く歯磨きができないこともあるかと思われます。
そんな時の対策として部分磨き用のハブラシや子供用の小さめのハブラシを選んでみてください。

妊娠中は、お口のケアが後回しになりがちですが、健康な赤ちゃんを出産するためにもお口の中の健康は非常に大切です。体調の良い日を見つけて、早めに歯医者さんで検診を受けてくださいね。