「マウスピース」
今年は特に残暑が厳しく感じましたが、少しずつ朝夕は過ごしやすくなりました。
さて、今回はマウスピース(ナイトガードともいいます)についてお話します。
起床時に、歯の痛みや顎の疲れを感じる場合は、寝ている間に歯ぎしりや食いしばりをしている可能性があります。
それらによる歯や顎への影響を軽減するためには、マウスピースを使用することが効果的です。
睡眠中に歯ぎしりや食いしばりが続くと、歯の摩耗や破損、顎関節症などさまざまな症状が起こりやすくなります。
マウスピースを使用することにより、歯に加わる力を分散させることができ、歯ぎしりや食いしばりから歯や
顎を守ることができます。
夜間に使うマウスピースの効果は、次のようなものがあります。
①歯のすり減りを防止する
②歯や歯根の破折を防止する
③顎関節の負担を軽減する。
睡眠中、自覚症状がなく無意識に歯ぎしりや食いしばりをしている方もいるので、マウスピースが少しずつ削れたり、傷ついたりしていくことで、歯ぎしりや食いしばりを確認することもできます。
マウスピースを使い始めた時は、違和感があり、よく眠れないという方もいます。
普段とは違う位置で歯が固定されるので、顎の痛みやだるさを感じたり、口の乾きを感じることもありますが、使用を続けていると、次第に慣れてくることが多いようです。
マウスピースの耐用年数は、一般的には2~3年ですが、個人差があり、歯ぎしりや食いしばりがひどい場合は、穴が開いたり割れたりすることもあります。
すり減ったり、穴が開いたままの状態で使用を続けていると、噛み合わせに変化が起こることもあるため、定期的にチェックを行うことと、適切なお手入れや保管をすることが大事です。
◎マウスピースのお手入れ方法
・起床後は取り外し、流水で洗う。専用のハブラシか柔らかいハブラシを使って洗うのも可。
歯磨き粉には、研磨剤が含まれていることが多く、使用するとマウスピースを傷つけてしまうため、歯磨き粉でマウスピースを磨くことはしないようにしましょう。
・雑菌の繁殖を防ぐため、専用の洗浄剤による消毒がおすすめです。
・マウスピースは熱に弱い素材で作られているので、夏場の車内など高音になる場所での保管や、お湯による煮沸消毒は避けましょう。
◎マウスピースの保管方法
・ハードタイプは、乾燥すると変形やひび割れの恐れがあるので、使わない時は水につけておく。
持ち運ぶ時は、湿らせたガーゼなどにくるんでケースに入れる。
・ソフトタイプは、洗った後はよく乾燥させて、水分をしっかり拭き取ってから保管する。
長持ちさせるためには、定期的にチェックする事も大事なので、歯の定期検診の時に、マウスピースを持参して、チェックを受けるようにしましょう。